所長のメッセージ
: 平成26年9月によせて
鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中
熱闘甲子園の第96回全国高等学校野球選手権大会は大阪桐蔭高校の優勝で閉幕し、今年の夏は終った感じです。8月は全国的に天候不順が続き、8月20日未明に広島市北部で起きた広島土砂災害では多くの死者・行方不明者が出て、連日警察と消防、自衛隊による大規模な捜査が続いています。今回のような短時間の大量降雨があれば、全国何所でも土石流は起きうると言われますので、自然災害の恐ろしさを再確認すると共に、自治体等による災害に対する住民の危機意識の高揚と災害に強い町作り対策、併せて私たち1人ひとりが普段から災害に対する自助努力を積み重ねる必要があります。
毎年9月1日は防災の日で、防災の日を中心とした8月30日(土)から9月5日(金)までが防災週間として、全国で防災訓練などの国民活動が行われますが、今年は直近の広島土砂災害を受けて例年以上に国民の関心が集まるものと思います。産業保健従事者は職場や家庭において常に防災意識を持ち続けることが大切で、この機会を利用して災害時に適切な行動がとれるように、職場や家庭において実行可能なマニュアルを再確認してください。
9月は「がん征圧月間」です。現在、日本人の2人に1人ががんになり、3人に1人、年間30万人を超える人ががんで亡くなっています。がんの罹患を未然に防ぐがん予防は第1次予防と称されていますが、近年の研究によると、がんは生活習慣との関連が高いと言われています。現状において科学的根拠に基づくがん予防法として、受動喫煙を含めてたばこはがん全体のリスクを確実に上げること、食事はバランス良くとること、食塩の摂取は最小限にすること、運動を含めて日常生活を活動的に過ごすことなどが特に重視されています。
8月末から鳥取県特産・20世紀梨が出荷されています。今年の梨は大玉で甘い仕上りと報じられていますので、シャキシャキした梨の食感を楽しんで夏の疲れをとってください。野菜や果物を十分に摂ることはがん予防にも通じますので、鳥取産の梨を食べて地産地消に協力しつつ、がん予防につなげてください。