所長のメッセージ
: 平成27年2月によせて
鳥取産業保健総合支援センター 所長 川﨑 寛中
新しい年に入ってから、全国的にインフルエンザの流行が続いており、鳥取県でもインフルエンザ警報が発令中ですので、引き続きインフルエンザ対策を強化してください。インフルエンザの感染経路は飛沫感染と接触感染ですので、咳エチケットやマスクの着用、外出先から帰ったら、うがいと手洗いを励行してください。高齢者や慢性気管支炎、気管支喘息などの肺疾患及び心疾患を有するハイリスクグル−プの人は不要な人混みへの外出を控えるように指導してください。
平成26年12月に厚生労働省は「平成25年国民健康・栄養調査結果の概要」を公表しました。3食ともに、穀類、魚介類・肉類・卵・大豆(大豆製品)、野菜を組み合わせて食べている者の割合は、男女ともに年令が若いほど低い傾向にあり、特に男性では20〜49歳までの年代は28%台、女性では20〜39歳までの年代は24%前後で、働き盛りの年代で栄養バランスが不十分です。産業保健従事者は職場で、生活習慣病の予防には主食・主菜(魚介類、肉類、卵など)・副菜(緑黄色野菜を含む2種類以上の野菜)を組み合わせた食事と運動の継続が最も大事なことを絶えず指導する必要があります。
先日の新聞報道によると、団塊の世代が75歳以上になる2025年に、認知症の人が700万人前後に達し、65歳以上の高齢者の5人に1人が認知症になる時代を迎えます。認知症や認知症様症状をきたす疾患・病態は多岐にわたりますが、最近の研究によると、認知症の代表とされる中枢神経変性疾患のアルツハイマー病や血管性認知症では、運動が有意に防御因子であるほかに、主菜・副菜をしっかり取ってバランスの良い食事を心がけることが認知症のリスクを減らすとも言われますので、認知症は生活習慣病の延長線上に位置づけて、認知機能が低下する前から生活習慣病予防と改善に努める必要があります。
2月3日(火)、4日(水)は節分、立春を迎え、暦では気候が冬から春に移る時節です。節分豆を撒いて無病息災を祈願しつつ家族の絆を強めましょう。