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所長のメッセージ

所長のメッセージ  : 令和7年2月によせて

投稿日時:

鳥取産業保健総合支援センター 所長 黒沢 洋一

 

『冬の転倒災害』

冬の山陰は、屋根の雪下ろしなどの除雪作業中の事故だけでなく、積雪や凍結に
起因する労働災害(転倒災害)も問題となる。厚生労働省・鳥取労働局によると、
毎年、鳥取・島根両県で数十件の積雪や凍結に起因する転倒災害が発生している。
そのため鳥取労働局は、「冬季のstop!転倒災害」を提唱している。その内容は、
事業所での転倒防止対策として凍結危険箇所の把握、凍結危険箇所の⾒える化、
通勤・帰宅への配慮、転倒防止マットの設置、危険箇所の凍結防止、4S(整理・
整頓・清掃・清潔)の徹底などである。転びにくい歩き方として、滑りにくい靴を
はく、小さな歩幅でゆっくり歩く、両手はポケットに入れないことなども紹介し
ている。

転倒は、移動中に発生することが多く、駐車場から職場への通路での転倒災害
が頻繁にみられる。転倒災害の防止の観点から、駐車場から職場につづく通路の
除雪や凍結防止は必須の対策であろう。また、高年齢労働者は、転びやすく骨折
しやすいので注意が必要である。積雪や凍結に起因する転倒災害の8割が50歳以
上の高年齢労働者である。厚生労働省のエイジフレンドリーガイドラインにある
ように、高年齢労働者の身体的状況に応じた適正配置、環境整備、転倒予防体操
などの対策が重要となる。

 

※参考:エイジフリーガイドライン
    (高年齢労働者の安全と健康確保のためのガイドライン)
◇◇◇◇ ◇https://www.mhlw.go.jp/content/001107783.pdf(R5.10)